175°DENO担担麺 LoungeHOKKAIDO(ひゃくななじゅうごど でのたんたんめんラウンジほっかいどう)
札幌市清田区清田2条1丁目3−8
カウンターに座って痺れと辛味と酸味の黄金比率に1人悶絶しながら食べるのが175°DENO担々麺のイメージですが、8月6日にオープンした175°DENO LOUNGEでは、そのイメージとは真逆の、みんなで楽しく食べましょう!と食育がテーマのファミリー向けのレストランです。
メニューは、
定番担々麺
汁なし 白ごま850円
黒ごま900円
汁あり 白ごま900円
黒ごま950円
の他、
ごまラーメン 汁なし 850円
汁あり 900円
季節限定ラーメン 1000円
お子様ラーメン 600円
小籠包 360円
焼き小籠包 390円
その他水餃子、焼売など、飲茶も充実。
そして衝撃的なのは、
北海道 岩瀬牧場 ソフトクリーム 380円。
これだけでは普通に美味しいソフトクリームですが、なんといっても、175°DENOさんのラー油をトッピングしていただくことができるのが特徴です。
これが意外な組み合わせで、初めての体験ゆえ、美味いのどうか自分でわからないのですが、ソフトクリームの冷たさで辛味が緩和され、ラー油の旨味と調和して新発見の味になっています。ただただ、この組み合わせを見つけたDENOさんに感心してしまいます。
店舗は一人で食べられるカウンター席の他、テーブル席も設けられ、「トドラーズラウンジ」という子供が遊べるボルダリングコーナーやその他テレビコーナーが設けられています。平日予約制の子供が担々麺を作れる体験コーナー、プロのアドバイスをもらいながら花椒とラー油が買えるというレアな体験ができます。
1人で食べるイメージが強い担々麺で食育、という新しい試みにチャレンジしている175°DENO担々麺LOUNGEさんですが、ここで改めて、食育について考察してみました。
農林水産省のHPによると、
「食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。」
とあります。
健全な食生活とは何でしょうか。
栄養バランスの取れた食事であることは間違いないでしょう。しかし健全な食生活とはそれだけのことでしょうか。
日本人は和食に代表されるように、考えるのではなく、感じて食べるという食生活の歴史を繰り返してきました。つまり、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感をすべて働かせて味わい、感じて食べてきた人種なのです。和食は「目で食べる」と言われるように、料理を見ればおいしそうかどうかが目に見えるのですが、これは飾ればよいという意味ではなく、感覚器官である目、耳、肌、鼻、口を総動員して、美味しさを感じ取ります。そして五感から素材をそのものを知ろうとしています。
【食べる上での視覚】
私たちは料理や食材のみかけから味わう前に「美味しさ」を感じ取ります。その「美味しさ」は食の経験の積み重ねから得られるもので、経験から今そこに見えているもの以上のものを見るという、美を感じとる感受性が育っています。料理によっては、それ以上のイメージを膨らませることができます。
【食べる上での聴覚】
台所から聞こえてくる音は、人々を幸せな気持ちにさせます。リズムよく野菜を刻む音は安定感を生み、揚げ物の音は空腹感を増幅し、ごはんへの気合が入ります。反対に鍋を乱暴に扱う音だったり、厨房で怒鳴り合う声だったり、食欲が失せる音というのもあります。私たちは耳から「美味しさ」をも得ています。
【食べる上での触覚】
日本語は擬音語や擬態語の種類が豊富です。ズルズル、もちもち、サクサク、アツアツ、ヒエヒエ、ビリビリ。これは料理を口に入れたときに触れた音を表現しています。刺激のニュアンスを正確に伝えられるのは日本人なのです。ズルズルと麺をすする音は外国人には不評ですが、日本では麺ののど越しを伝えている音なので、親しまれています。
【食べる上での嗅覚】
食欲の湧くいい香りは食欲をそそります。いい香りは美味しいものがそこにあることを示しています。反対に、雑菌が繁殖すると腐敗臭がします。ニンニクやニラは強い匂いがするので、好きでもその後人と会う用事があれば控えるし、お料理に木の芽が乗っていれば、そこから四季を感じ取る心の豊かさがあります。
【味覚】
焼肉やラーメンは美味しさが脳にダイレクトに伝わるので、無条件に快感として伝わり、おいしいと感じます。無条件な快感はストレス解消効果もあります。普段の仕事の疲れを労い、仲間と美味しいものを食べる喜びはこの味覚によって得られているところもあります。ただ、日本人には和食文化があるので、キレがある、雑味のないすっきりとした、重くない、という表現もあるとおり、繊細な味覚が根底にあると捉えられます。
一品料理でも五感をフル活用して食べるのも食育になりますし、農林水産省が発行している「食育白書」には、「共育」も含まれています。つまり、家族や仲間でコミュニケーションを取りながら食べようという試みです。
カウンターで食べる担々麺も店員のステージを見ているようで楽しいのですが、みんなで食べる担々麺は子供や仲間の五感の発見、お互い感想を言い合うことで交流が深まるとてもよいきっかけになりそうです。
痺れや辛味が苦手な人も、敬遠しているお相手がいても、一度はみんなで訪れてみる価値があります。
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